首・肩の解剖学
肩関節は他の関節と比べて、可動域が格段に広く様々な方向に動かすことができるようになっているので、体の中でもっとも複雑な構造をしているといっても過言ではありません。他の関節で見られるような骨格や靭帯による安定性が肩部分には欠けており、肩関節(関節窩上腕関節)の安定性は周囲の筋肉に頼る形となっていますが、本質的に不安定であるのに変わりはありません。 肩関節(関節窩上腕関節)の上には鎖骨と肩峰をつなぎ合わせる関節(肩鎖関節)があります。肩鎖関節は肩の位置を保つの役割と上肢を胴体に繋ぎとめる重要な役割を担っています。腕の動きに対して肩甲骨と共に上下左右・回旋の動きを起こします。 肩の傷害は、直接的なストレス/力が加わること、もしくは上肢へのストレス/力が腕を通じて加わることで起こる二つの種類があります。
主たる肩関節(関節窩上腕関節)は、球関節にあたります。球関節は、片方の関節面が球状になっていて、対するもう一方の関節面はカップ状のくぼみの形状をしています。この球状の関節面が対するカップ状の関節面にはまっている状態ですが、肩関節におけるカップ状の関節面は非常に小さく、ゴルフボールとティーのような関係性になっています。球関節は3軸性の動きを可能にしています。 肩鎖関節は平面関節にあたります。関節をなす両方の骨の関節面は平面あるいは平面に近い曲面であり、前後・左右への運動が可能です。平面関節は2軸性の動きが可能ですが、お互いの関節面で回旋することもできるため3軸性の関節ともいえます。
◯屈曲・・・0~180度 ◯伸展・・・0~50度 ◯外転・・・0〜180度 ◯内転・・・0度 ◯内旋・・・0〜60度 ◯外旋・・・0〜80度
平らな形状をしていて、胸部の背面少し外側寄りに位置しています(第2~第7肋骨)。・肩甲骨の後面を上下に分けるよう際立った隆起を肩甲棘と呼びます。・肩甲棘の外側先端部分、突起部分を肩峰と呼びます。・肩峰の下に、カップ状のくぼみ部分を関節窩と呼びます。
上肢のなかでもっとも長く・大きい骨です。遠位では肘関節を形成しているが、近位では肩関節を形成しています。近位部分は丸い上腕骨頭になっており、これが肩甲骨の関節窩にはまります。
上肢を胴体と繋げる役割をします。
薄い繊維状の靭帯の集まりで関節全体を覆っています。
◯役割・・・上腕骨を関節窩に接続させ、関節を安定させます。
関節窩と上腕骨をつなぐ3つ靭帯であるが、明確な関節構造ではありません。
◯役割・・・関節包を厚くします。
3つのパートに分けられ、それぞれ肩甲骨を動かします。
前部は屈曲と内旋、中部は外転、後部は伸展と外旋させます。
上腕を伸展・内転・内旋させます。
肩甲骨を拳上・内転、下方に回旋させます。
上腕を外転させます。
上腕を外旋させる。
上腕を外旋・伸展させます。
上腕を伸展させます。また内転と内旋を補助します。
肩甲骨を外転して、下方に回旋させます。
上腕を内旋させます。
上腕を内転させます。
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